「外国人技能実習制度」見直しで受入れ企業に届出義務化

2016-02-16

◆技能実習制度の現状
現在、日本で技能実習生として16万人を超える人が働いており、中国やベトナム、インドネシア等を中心に受け入れています。
対象業種は農業や建設、食品製造など72に及び、人材不足が深刻な業種では労働の貴重な担い手としての役割も期待されています。
ところが、2013年に厚生労働省が行った立入調査では、対象事業所の約8割で「残業代未払い」や「過重労働」といった労働法令違反が明らかになるなど、国際社会からも不当労働や人権侵害の温床になっているとの批判を受けていました。

 

◆これまでの制度改正の内容
同制度は1993年に創設されましたが、研修期間中の実習生には労働関係法令の適用がなく、不当な扱いを受けるケースも多くあったため、法改正により、最長3年間の研修期間のうち、入国当初の講習期間を除き、企業等での技能習得等のための期間については労働関係法令が適用されることとなり、2012年7月より施行されています。

 

◆今回の改正内容
上記の改正によっても法令違反が解消されていないため、新たに受入れ企業の抜打ち検査を実施する権限を持つ「外国人技能実習機構」を設置することとします。
また、受入れ企業には同機構への届出を義務化し、実習内容の確認を受けます。この届出をしない企業には罰金が科されるほか、5年間の受入れ禁止処分となります。
そのほか、実習生の待遇を日本人と同等以上とすることが求められます。また、受入れ期間を3年から5年に延長し、対象業種として新たに介護を加えるとしています。