均等法・育介法改正で「マタハラ防止」を企業に義務付けへ

2016-02-16

◆男女雇用機会均等法、育児・介護休業法の改正
政府は、今国会に提出する男女雇用機会均等法と育児・介護休業法の改正案の中に、女性らが妊娠や出産を理由に不利益を被るマタニティーハラスメント(マタハラ)の防止策の企業への義務付けを盛り込む方針を明らかにしました。
2017年4月からの実施を目指すとしています。

 

◆就業規則へ盛り込むことなどを義務付け
具体的には、マタハラ行為を禁止する規定を就業規則に盛り込むことや相談窓口の設置、社員研修の実施などを企業に求めることとします。
派遣社員も防止策の対象とし、違反した企業名について公表する方針です。

 

◆最高裁判決や厚労省調査を受けて判断
現行の男女雇用機会均等法でも、事業主に対して、妊娠や出産を理由にした解雇や降格は禁止していますが、職場の上司や同僚が「長く育休を取得されると迷惑」「辞めたらどうか」などと発言するのは、事業主が発言を指示した場合などを除けば違法とはなっていません。
マタハラをめぐっては、2014年10月に、妊娠による降格が男女雇用機会均等法に違反するという最高裁判決が出ています。
政府は、現行法のままでは、上司や同僚の言動で休みを取りづらい雰囲気が作り出されている実態には対応しきれないと判断し、昨年11月に発表した“一億総活躍社会”実現への緊急対策で「妊娠、出産などを理由とする不利益取扱いを防止するため法制度を含め対応を検討する」と盛り込んでいました。