‘事務所通信’ 一覧

2016-01-05

1月の税務と労務の手続期限[提出先・納付先]

12日
○ 源泉徴収税額(※)・住民税特別徴収税額の納付[郵便局または銀行]
※ただし、6ヵ月ごとの納付の特例を受けている場合には、27年7月から12月までの徴収分を1月20日までに納付
○ 雇用保険被保険者資格取得届の提出[公共職業安定所]
20日
○ 特例による源泉徴収税額の納付<前年7月~12月分>[郵便局または銀行]
2月1日
○ 法定調書<源泉徴収票・報酬等支払調書・同合計表>の提出[税務署]
○ 給与支払報告書の提出<1月1日現在のもの>[市区町村]
○ 固定資産税の償却資産に関する申告[市区町村]
○ 健保・厚年保険料の納付[郵便局または銀行]
○ 労働保険料納付<延納第3期分>[郵便局または銀行]
本年最初の給料の支払を受ける日の前日まで
○ 給与所得者の扶養控除等(移動)申告書の提出[給与の支払者(所轄税務署)]
○ 本年分所得税源泉徴収簿の書換え[給与の支払者

2016-01-05

ストレスチェック実施プログラム」の概要と監督署への報告書提出

◆ついに公開された「実施プログラム」
厚生労働省は、11月24日に「ストレスチェック実施プログラム」を公開しました。
この実施プログラムは、12月から労働者50人以上の事業所に実施が義務付けられたストレスチェックの受検、結果出力、集団分析等を行うことができるソフトで、同省は今年7月に「秋頃を目途に完成させ、無料で配布する予定」と発表していました。
ダウンロードは無料であり、通常1~5分あればダウンロード可能とのことですので、お金をかけずにストレスチェックを実施したいという企業にはお勧めです。
なお、公開後にプログラムの内容に一部記載誤りが見つかったため、11月24日から11月30日までの間にダウンロードしていた場合には再度のダウンロードが必要です。

 

◆「実施プログラム」の機能
実施プログラムの主な機能は以下の通りです。
(1)労働者が画面でストレスチェックを受けることができる機能(57項目と簡易な23項目の2パターンの利用が可能。また、紙の調査票で実施しデータ化されたものをインポートすることも可能)
(2)労働者の受検の有無を把握する機能
(3)労働者が入力した情報に基づき、あらかじめ設定した判定基準により、自動的に高ストレス者を判定する機能
(4)個人のストレスチェック結果を出力する機能
(5)あらかじめ設定した集団ごとに、ストレスチェック結果を集計・分析(仕事のストレス判定図の作成)する機能
(6)集団ごとの集計・分析結果を出力する機能
(7)労働基準監督署へ報告する情報を表示する機能

 

◆監督署への報告書提出について
ストレスチェック制度では、労働基準監督署へ「心理的な負担の程度を把握するための検査結果等報告書」(労働安全衛生規則様式第6号の2)を提出することが企業に義務付けられています。
厚生労働省が12月3日公表した、労働基準監督署への報告書の提出に関する留意点は次の通りです。
(1)報告書は平成28年4月1日以降に提出
(2)報告書の様式は平成28年3月下旬に公表予定
なお、同省から公表される報告書の様式は、OCRで読み取り可能なものとなるそうです。

2016-01-05

ワタミ事件で注目される“懲罰的慰謝料”とは?

◆損害賠償請求額はどう算出する?
過労死・過労自殺の損害賠償請求訴訟では、(1)死亡による精神的苦痛に対する慰謝料、(2)死亡しなければ得られたはずの収入を填補する遺失利益、(3)葬儀費用等が請求内容となります。
このうち、(1)は交通事故裁判例の蓄積によって作成された、いわゆる裁判所基準により算出され、(2)は死亡労働者の基礎収入から生活費を差し引いた額に係数を掛け合わせて算出されます。
実際には他にも様々な事情を斟酌して算出されますが、あくまでも死亡による損害を回復するという考え方です。

 

◆過去の事件とワタミ事件の違いは?
過労死についての有名な労働判例である電通事件では、会社の支払額は約1億6,800万円(うち遅延損害金4,200万円)でしたが、今回のワタミ事件では会社は1億3,365万円を支払うこととなりました。
いずれも高額な賠償金支払義務を負った点は共通しますが、ワタミ事件の1億3,365万円は、上記(1)が相場で2,000~2,500万円のところ懲罰的慰謝料と合わせて4,000万円とされ、これに上記(2)7,559万円等を加えて算出されています。
この“懲罰的慰謝料”が認められた点が、過去の事件と大きく異なると言われています。

 

◆“懲罰的慰謝料”とは?
アメリカ等では、損害賠償金の目的には損害の回復のほかに違法行為の抑制もあるとして、生じた損害以上の賠償金を認めます。ファーストフード店で買ったコーヒーをこぼして火傷を負った客への賠償金約3億円の支払いが命じられた例もあります。
日本でも大型トレーラーの脱輪事故で1億円を懲罰的慰謝料として請求したケース等ありますが、これまで認められたものはありませんでした。

 

◆今後への影響は?
ワタミ事件で原告側代理人を務めた弁護士は、「今後、同様の事件を起こした企業には、司法判断としても、社会的非難としても、厳しい判断が相次ぐだろう」とコメントしています。
労働基準行政でも、違法な長時間労働の是正勧告に従わない企業名の公表、送検といった取組みが強化されており、コンプライアンスの意識を持たない企業は淘汰されていくと考えるべきでしょう。

2015-12-02

厚労省から発表された本人確認(番号確認・身元確認)のポイント

◆雇用保険関係の様式
平成28年1月以降、事業主が従業員から個人番号を収集したうえで記入し、ハローワークへの提出が必要となる雇用保険関係の主な様式は次の通りです。
・雇用保険 被保険者資格取得届
・雇用保険 被保険者資格喪失届
・高年齢雇用継続給付受給資格確認票・(初回)高年齢雇用継続給付支給申請書(※)
・育児休業給付受給資格確認票・(初回)育児休業給付金支給申請書(※)
・介護休業給付金支給申請書(※)
(※)事業主が提出することについて労使間で協定を締結したうえで、できる限り事業主が提出することになっています。

 

◆本人確認(個人番号・身元(実在)確認)の方法とポイント
事業主(個人番号関係事務実施者)による本人確認(個人番号・身元(実在)確認)には、「対面・郵送」、「オンライン」、「電話」の3つの方法があります。
本人確認のポイントは、次の通りです。
(1)雇入れ時などに運転免許証等により本人であることの確認をしている場合であって、本人から直接対面で個人番号の提出を受ける場合は、身元確認のための書類の提出は不要。この場合には、次のいずれかの書類による個人番号の確認が必要。
・個人番号カード
・通知カード
・個人番号の記載がある住民票の写し・住民票記載事項証明書 等
(2)(1)に該当しない場合は、①または②の方法で個人番号の確認と身元確認が必要。
①個人番号カード
②通知カードまたは個人番号の記載がある住民票の写し・住民票記載事項証明書+各種証明書

 

◆最新情報をチェック!
なお、マイナンバー制度関係の情報は以下のサイトで確認することができます。
○マイナンバー制度(雇用保険関係)(厚生労働省ホームページ)
http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000087941.html
○社会保障・税番号制度について(国税庁ホームページ)
https://www.nta.go.jp/mynumberinfo/
○内閣官房ホームページ
http://www.cas.go.jp/jp/seisaku/bangoseido/
○ 特定個人情報保護委員会ホームページ
http://www.ppc.go.jp/

2015-12-02

「ストレスチェック」義務化で注目される産業医の役割

◆今年12月から義務化
改正労働安全衛生法で定められた「ストレスチェックの義務化」が、今年12月1日より施行されます。
労働者数50人以上の事業場では来年11月末までに、最低1回はストレスチェックを実施する必要があります(労働者数50人未満の事業場は当分の間努力義務)が、義務化を前に、大きな役割を担う「産業医」に注目が集まっています。
その理由は、法律でストレスチェックの実施者は「医師、保健師その他の厚生労働省令で定める者」でなければならないとされているからです。

 

◆実施者を誰にするか?
東京経営者協会が今年9月に行った「ストレスチェック制度に関するアンケート」の結果によると、ストレスチェック制度の実施体制について、回答した企業の28.9%が「産業医が実施者を兼務」、25.5%が「産業医が共同実施者(外部委託)」と回答していることからも、産業医に大きな期待が寄せられていることがうかがえます。
なお、半数以上の企業がストレスチェック制度実施の課題として「産業医・外部機関との連携」を挙げています。

 

◆厚労省がリーフレットを公開
厚生労働省は、11月上旬に、産業医に関するリーフレット「産業医を選任していますか? 代表者が産業医を兼務していませんか?」を公開しました。
このリーフレットでは、「常時50人以上の労働者を使用する事業場においては産業医を選任しなければならない」こと、「産業医の選任・変更の際には労働基準監督署に届け出なければならない」こと、「産業医として法人や事業場の代表者が選任されている場合は早期に改善すべきである」こと等が示されています。
産業医を適正に選任していない、または産業医制度が機能していないケースは非常に多く、ストレスチェック制度を契機に見直しを図る企業が増えるものと思われます。

 

◆産業医制度自体の見直しも検討
なお、厚生労働省は、産業医の位置付けや役割について見直す必要性が出てきていることから、9月下旬より「産業医制度の在り方に関する検討会」を開催し、必要に応じて法令の改正も念頭に置いた検討を行う方針を示しています。
将来的に何らかの法改正が行われる可能性が高いため、今後の動きに注目しておきましょう。

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