過重労働問題に斬り込む「カトク」は企業のここを見ている!

2015-08-16

◆「カトク」とは?
今年4月に厚生労働省が東京・大阪の2労働局に設置した、「過重労働撲滅特別対策班」の通称です。7月2日に靴販売チェーン「ABCマー
・第49級…(標準報酬月額)
ト」運営会社と同社の労務担当取締役、店長2人が、都内2店舗で違法残業をさせたとして書類送検され、注目されています。
配属された労働基準監督官は東京7名、大阪6名で、東京の7名は経験10年以上のベテラン揃い、パソコンに保存された労働時間に関するデータの改ざん・削除といったケースでも対応できるよう、証拠収集技術「デジタル・フォレンジック」に詳しいメンバーもいるそうです。

 

◆スピード対応の理由
同省が2014年11月にブラック企業の疑いがある4,561事業所を調査したところ、2,304事業所で違法残業が発覚しました。「カトク」は、この結果を受け監督指導・捜査体制強化のため新設されました。従来との違いは、各別に労働基準監督署が管轄内の違法残業に対応するのではなく、管轄エリアを越えて連携して対応する点にあると言われています。

 

◆狙われるのはどんな企業?
ABCマートの事件では、池袋店では三六協定未届けで従業員2人にそれぞれ月97時間・112時間の残業を行わせた疑いが、原宿店では三六協定で定めた「月79時間」を超えて従業員2人にそれぞれ月98時間・112時間の残業をさせた疑いが持たれています。
また、東京労働局監督課課長は、テレビのインタビューに「指導を繰り返してもなかなか是正に至らない」「特に月100時間を超える長時間労働を問題視した」と、答えています。
上記の企業名公表は(1)月残業時間が100時間超、(2)1事業所で10人以上あるいは4分の1以上の労働者が違法残業、(3)1年程度の間に3以上の事業所で違法残業、などに該当する企業が対象とされています。