今年度の「是正指導・勧告」のポイントは?
◆前年度の申告事案の概要(東京都)
平成25年における東京労働局管内の労働基準監督署に対する申告(違反事実の通告)事案の概要が公表されました。
〔申告事案件数〕
申告受理件数は、過去10年で最少の5,051件まで減少(対前年比:▲592件、▲10.5%)しましたが、依然として労働基準法に定める最低労働基準の確保に問題が多く認められます。
〔申告内容〕
賃金不払と解雇が全体の多くを占め、賃金不払が4,210件(同:▲533件、▲11.2%)、解雇が830件(同:▲93件、▲10.1%)でした。
〔業種別件数〕
上位から、「商業」(1,232件)、「接客・娯楽業」(1,031件)、「その他の事業」(938件)でした。東京労働局では、今後の対応として、申告事案については、労働基準法等に違反するとして労働者が労働基準監督署に救済を求めているものであることから、引き続き申告・相談者が置かれた状況に配慮のうえ、迅速・的確に処理を行うとしています。
◆是正指導・勧告のポイントは?
このような状況を受け、東京労働局の平成26年度行政運営方針では、賃金不払や解雇等の申告事案について、優先的に監督指導等を実施するとしています。また、労働条件の確保として、有期契約労働については労働契約締結時の「期間の定めのある労働契約を更新する場合の基準に関する事項」の明示、「有期労働契約の締結、更新及び雇止めに関する基準」に基づく雇止めの予告等について厳しくチェックを行うようです。また、労働者派遣法の改正に伴い、派遣元・派遣先・職業紹介事業者等に対し、厳正な指導監督を実施するとしています。内容は「日雇派遣の原則禁止」や「マージン率等の情報提供の義務化」、「関係派遣先への派遣割合制限」等が中心のようです。自社の対応状況について、改めて確認をしておきましょう。