「改正労働契約法」施行後の有期労働契約者の本音は?
◆不十分な認識
「改正労働契約法」が施行されて半年以上が経ちましたが、連合が行った「有期契約労働者に関する調査」の結果によると、「無期労働契約への転換」について、「ルールができたことを知らなかった」と答えた人は6割以上もいたそうです。
「不合理な労働条件の禁止」については、約7割が知らず、改正労働契約法への認識は不十分と言えそうです。
◆「無期転換」はモチベーションアップにつながる?
また、有期労働契約者が「無期労働契約への転換」についてどのように思っているかを尋ねたところ(複数回答)、「無期契約に転換できる可能性があるのでモチベーションアップにつながる」と答えた人は約半数を超えたものの、「契約期間が無期になるだけで待遇が正社員と同等になるわけではないから意味がない」と答えた人も約7割に上り、待遇改善につながらないと感じている人が多いことがわかりました。
◆正社員も有期契約者も業務内容は同じ?
次に、業務内容や仕事への姿勢などについて正社員と比較してもらったところ、業務内容については、「正社員と同じ」と答えた人が半数近くに上り、正社員との業務内容にあまり差がないことがわかりました。
また、仕事上の責任や残業時間は、おおむね正社員よりも負担が少ないとの結果でしたが、仕事に対する姿勢ついては、「正社員よりも真面目」と答えた人が約半数に上り、仕事を遂行する能力も「正社員よりも高い」と答えた人が約2割となりました。
◆有期労働者の4割は正社員希望
「有期契約で働くことになった状況」について尋ねたところ、自らが希望して有期契約になった人は約半数だったものの、有期労働契約者の3人に1人は正社員になれ
なかったために有期契約で働いていることがわかりました。
また、今後の働き方の希望を聞いたところ、「正社員になりたい」と答えた人は約4割で、特に、正社員になれなかったために有期契約で働いている人では、正社員への転換希望を持っている割合は7割以上になりました。
◆職場に対する不満
最後に、職場についての不満については、「給料が上がらない」、「働きぶりが評価されない」など、待遇に不満をもっている人が多かったようです。中には、「正社員がちゃんと働かない」、「パワハラやセクハラがある」などの回答もみられました。