人事院調査結果にみる民間企業の勤務条件の最近の動向
◆調査の概要
人事院が、毎年民間企業に対して行う調査の2012年分の結果が、このほど公表されました。
(1)労働時間の短縮制度、(2)休暇の付与、(3)業務災害および通勤災害に対する法定外給付制度の状況
等について、常勤の従業員数50名以上の企業(6,852社)から回答を得ました。
◆「三六協定」により延長できる労働時間数
1カ月単位で三六協定を締結している企業において、協定により延長できる労働時間数は、「45時間」が49.6%、「30時間超45時間未満」が31.9%でした。また、1年間では「360時間」が53.7%、「300時間以上330時間未満」が26.5%でした。
特別条項付き三六協定を適用した場合の延長時間数については、1カ月間の延長時間数を「60時間超80時間以下」とする割合が46.7%、「45時間超60時間以下」が22.4%、「80時間超100時間以下」とする割合が18.2%でした。また、1年間の延長時間については、「720時間超」が33.2%、「660時間超720時間以下」が18.3%、「540時間超600時間以下」が13.2%でした。
◆休暇の付与の仕方
正社員の夏季休暇制度がある企業の割合は60.9%で、このうち58.4%の企業で有給としていました。夏季休暇制度がない企業の割合は38.9%でした。
なお、有期雇用従業員につ
いて見ると、フルタイムの
場合に正社員と同じ夏季休暇制度がある企業の割合は50.0%で、1週間当たりの労働時間数が正社員の4分の3以下の有期雇用従業員(以下、「4分の3以下の従業員」)では40.8%でした。
年次有給休暇では、フルタイムでは81.6%の企業が一定期間経過後から付与していましたが、4分の3以下の従業員では87.8%と、有期雇用従業員の間でも付与の仕方に違いが見られました。
◆業務災害および通勤災害に対する法定外給付制度
従業員が業務災害または通勤災害にあった場合に、労災保険による給付の他に独自給付を設けている企業の割合は、業務災害では、死亡で56.3%、後遺障害で50.0%、通勤災害では、死亡で51.3%、後遺障害で45.1%でした。