「職場のパワハラ」の実態と予防・解決に向けた取組み
◆厚労省が初めて職場のパワハラに関する実態調査を実施
厚生労働省が委託事業(事業委託先:東京海上日動リスクコンサルティング株式会社)により国として初めて「職場のパワーハラスメントに関する実態調査」を実施し、その結果が公表されました。
この調査は、「企業調査」と「従業員調査」からなり、「企業調査」は従業員30人以上の企業4,580社から、「従業員調査」は企業・団体に勤務する20~64歳の男女9,000名からの回答(2012年7月~9月にアンケート調査実施)を基に取りまとめられたものです。
◆パワハラが発生している職場の特徴
企業調査における結果では、パワハラに関する相談がある職場に共通する特徴として、次の項目が挙げられています。
・上司と部下のコミュニケーションが少ない職場(51.1%)
・正社員や正社員以外など様々な立場の従業員が一緒に働いている職場(21.9%)
・残業が多い/休みが取り難い職場(19.9%)
・失敗が許されない/失敗への許容度が低い職場(19.8%)
従業員調査においても、これと同様の傾向が示されています。
◆パワハラの予防・解決のための企業の取組み
パワハラの予防・解決に向けた取組みとして実施率が高かったのは、上位から「管理職向けの講演や研修」(取組み実施企業の64.0%)、「就業規則などの社内規定に盛り込む」(同57.1%)、「ポスター、リーフレット等啓発資料の配付、掲示」(同40.7%)でした。
これらの効果についてですが、「講演や研修」など直接従業員に働きかける取組みは効果の実感が高い一方で、「就業規則に盛り込む」といった事項では相対的に
低くなる傾向が見られます。
企業規模によっても対応可能な方法に違いが見られますが、パワハラ対策には、職場環境の改善、従業員の理解促進、社内規定の整備、研修実施など、複合的な取組みが必要になってくるものと思われます。