最新調査結果にみる残業代支払いと有休消化率の現状

2012-12-21

◆所定外労働時間に関する調査結果

連合総合生活開発研究所(以下、「連合総研」)が、20~64歳の民間企業雇用者(2,000名)に対して2012年10月1~6日の間に行った調査によると、2012年9月中に所定外労働を行った人は39.1%で、平均所定外労働時間は38.2時間でした。
特に、男性の所定外労働時間を行った割合は55.2%と多く、平均所定外労働時間は43.0時間でした。

◆残業代支払いに関する調査結果

所定外労働を行った人のうち「残業手当の未申告がある」と回答した人の割合は35.3%で、未申告分の時間の平均は21.3時間でした。
未申告ありと回答した割合は、男女の正社員・非正社員を合わせた全体の約4割ですが、特に男性正社員に多く見られ、未申告分の時間は平均24.8時間でした。未申告の理由については、「働いた時間通り申告しづらい雰囲気」が36.3%、「残業代に限度がある」が24.2%でした。
残業手当の全額が支払われた人の割合は46.9%で、「4割以上6割未満が未申告」だった人が5.5%、「2割以上4割未満未申告」だった人が5.3%でしたが、まったく支払われていない人も6.3%に上ったそうです。

◆有休消化率に関する調査結果

上記調査において、2011年度に支給された有給休暇の消化率について尋ねたところ、「概ね消化できた」と回答した人の割合は、非正社員で約4割、正社員で約2割にとどまることがわかりました。
厚生労働省が2012年11月1日に公表した「就労条件総合調査」においても、2011年における正社員の有休取得率は49.3%で、前年比で1.2ポイント上昇して2年連続上昇したものの、「2020年に70%」との目標には遠く及ばない結果となっています。

◆賃金収入も回復の兆しなし

さらに、同調査において1年前と比べた賃金の増減について質問したところ、「減った」と回答した人が31.6%で、「増えた」と回答した人の23.7%を上回る結果となりました。