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施行直前!「改正パートタイム労働法」への準備は万全ですか?
◆いよいよ4月から施行
今年4月から、改正パートタイム労働法が施行されます。短時間労働者(パートタイム労働者)を雇用されている事業主の方、準備は万全でしょうか。
パートタイム労働法(短時間労働者の雇用管理の改善等に関する法律)の対象であるパートタイム労働者とは、「1週間の所定労働時間が同一の事業所に雇用される通常の労働者の1週間の所定労働時間に比べて短い労働者」とされています。
そして、「パートタイマー」「アルバイト」「嘱託」「契約社員」「臨時社員」「準社員」等、呼び方は異なっても上記の条件に当てはまる労働者であれば、「パートタイム労働者」となります。
◆適用される法律
パートタイム労働者は、「労働条件の明示」「就業規則の作成」「解雇予告」「母性保護等」「退職時等の証明」「健康診断」「割増賃金の支払い」「最低賃金」「年次有給休暇」等について、パートタイム労働法だけではなく、通常の労働者と同様に、労働基準法・労働契約法・労働安全衛生法・最低賃金法が適用されます。
◆改正パート労働法の概要
改正の概要は以下の通りとなっています。チェックリストなどを作成し、漏れのない対応ができるよう注意しましょう。
(1)正社員と差別的取扱いが禁止されるパートタイム労働者の対象範囲の拡大
「職務内容が正社員と同一」、「人材活用の仕組み(人事異動等の有無や範囲)が正社員と同一」に該当すれば、有期労働契約を締結しているパートタイム労働者も正社員と差別的取扱いが禁止されます。
(2)「短時間労働者の待遇の原則」の新設
パートタイム労働者の待遇と正社員の待遇を相違させる場合は、その待遇の相違は、職務の内容、人材活用の仕組み、その他の事情を考慮して、不合理と認められるものであってはならないとする、広くすべての短時間労働者を対象とした待遇の原則の規定が創設されます。
(3)パートタイム労働者を雇い入れたときの事業主による説明義務の新設
パートタイム労働者を雇い入れたときは、実施する雇用管理の改善措置の内容について、説明しなければならないこととなります。
(4)パートタイム労働者からの相談に対応するための事業主による体制整備の義務の新設
パートタイム労働者からの相談に応じ、適切に対応するために必要な体制を整備しなければならないこととなります。
4月の税務と労務の手続提出期限[提出先・納付先]
10日
○ 源泉徴収税額・住民税特別徴収税額の納付[郵便局または銀行]
○ 雇用保険被保険者資格取得届の提出<前月以降に採用した労働者がいる場合>[公共職業安定所]
○ 労働保険一括有期事業開始届の提出<前月以降に一括有期事業を開始している場合>
[労働基準監督署]
15日
○ 給与支払報告に係る給与所得者異動届の提出[市区町村]
30日
○ 預金管理状況報告の提出[労働基準監督署]
○ 労働者死傷病報告の提出<休業4日未満、1月~3月分>[労働基準監督署]
○ 健保・厚年保険料の納付[郵便局または銀行]
○ 日雇健保印紙保険料受払報告書の提出[年金事務所]
○ 労働保険印紙保険料納付・納付計器使用状況報告書の提出[公共職業安定所]
○ 外国人雇用状況報告(雇用保険の被保険者でない場合)<雇入れ・離職の翌月末日>[公共職業安定所]
「有期雇用特別措置法」の特定有期雇用労働者に係る手続き
◆「有期雇用特別措置法」とは?
2013年4月施行の改正労働契約法により、有期雇用契約を反復更新して契約期間が5年超となった有期雇用労働者には「無期転換申込権」が発生することとなりました。
有期雇用特別措置法は、特定の有期雇用労働者について、契約期間が5年超となった場合でもこの無期転換申込権が発生しないこととするものです。
本法は、2015年4月1日より施行されます。
◆「特定有期雇用労働者」とは?
本法特例の対象となる労働者は、(1)一定の高度専門的知識等を有する有期雇用労働者と、(2)定年後に有期契約で継続雇用される高年齢者です。
(1)は、年収1,075万円以上の一定の国家資格等を有する有期雇用労働者で、「5年を超える一定期間内(上限10年)に完了することが予定されている業務」に就く者です。
また、(2)は、再雇用や継続雇用の対象として、定年を過ぎて有期契約で雇用される者です。
◆対象労働者への対応
省令により、書面の交付による労働条件の明示が定められ、明示すべき内容も列挙されますが、実務上は、モデル労働条件通知書を参考に作成し、対象労働者に内容を説明したうえ、交付することが必要です。
大卒内定率が大幅に改善 女子学生は過去最高に!
◆大卒内定率4年連続で改善
文部科学省と厚生労働省は、今春卒業予定の大学生の就職内定率(昨年12月1日時点)を公表しました。
全体の内定率は80.3%(前年同期比3.7ポイント増)で4年連続の改善となり、同時期の内定率が80%を越えるのは6年ぶりで、これは2008年9月のリーマンショックの影響前の80.5%とほぼ同じ水準にまで回復したことになります。
今回の結果は、企業の業績回復や人手不足を背景に、企業の採用意欲が高まったことが大きな要因だったとされています。
◆女子学生内定率過去最高
男女別では、男子学生の就職内定率は78.9%(前年同期比2.7ポイント増)、女子は81.9%(同4.7ポイント増)となり、12月時点として調査を開始した1996年以降、最高の内定率となりました。
◆金融機関が女子学生を積極的に採用
文部科学省はこの公表結果について、「景気の回復を受け、金融機関を中心に女子学生の採用意欲が高まった」と分析しています。
メガバンクでは、産休や育休を取りやすい職場環境を整えるために、窓口業務などを担う一般職を昨年よりも多く採用をするなど、女性を積極的に採用しようという姿勢が感じられます。
平成27年度の健康保険料率・介護保険料率と今後の制度改革案
◆4月分から適用の見込み
通例3月分から見直しとなっている健康保険料率(協会けんぽ)ですが、平成27年度については、4月分(5月納付分)から変更される見込みです。これは昨年12月の衆議院解散に伴い、政府予算案の閣議決定の時期も後ろ倒しになると見込まれているためです。
また、介護保険料率も、同様に4月分(5月納付分)から変更されるようです。
健康保険料は、平成18年の健康保険法改正により、平成21年9月からは都道府県ごとの料率が設定されています。会社が健康保険適用事業所の届出を行っている都道府県のものが適用されます。
◆介護保険料率が引下げ
40歳以上65歳未満の被保険者から徴収される介護保険料率は下がるようです。
現在(平成27年2月時点)、介護保険料率は1.72%ですが、平成27年4月(5月納付分)からは「1.58%」に引き下げられるようです。